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弁理士試験の難易度はどれくらい?
データに基づいた合格の条件を解説

弁理士試験の難易度はどれくらい?データに基づいた合格の条件を解説"

弁理士の試験の難易度はかなり高いと言えるでしょう。合格率や合格者の数を見ても、狭き門であることは間違いありません。

本記事では弁理士試験の難易度とその推移を解説するとともに、合格者のデータを踏まえて、試験に受かるためのポイントを解説します。

弁理士試験の難易度はかなり高い

弁理士試験のない度はかなり高い

弁理士試験の難易度はかなり高いと言っていいでしょう。合格率はかなり低い数字になっており、合格者数も少ないからです。

弁理士試験が難しいのは、学習しなければならない範囲が広いことも要因の1つと考えられます。ここでは2022年度の最終合格率や近年の合格率の推移、さらには他の国家試験の難易度との比較などについて解説しましょう。

弁理士試験  2022年度の最終合格率は6.1%

2022年度(令和4年度)の弁理士試験の最終合格率が6.1%であることが、2022年11月10日に特許庁より発表されました。志願者数3,558人、受験者数3,177人に対して、合格者の数は193人という狭き門で、最終合格率は6.1%です。

つまり100人受けて、6人合格という難関であるため、合格するためには入念な準備と勉強時間の確保と覚悟が必要になります。

弁理士試験の合格率や合格者数の推移

下の表は弁理士試験の過去5年間の受験者数と合格者数、最終合格率を表したものです。

              
実施年度 受験者数 合格者数 最終合格率
2018年度(平成30年度) 3,587人 260人7.2%
2019年度(令和元年度) 3,488人 284人8.1%
2020年度(令和2年度) 2,947人 287人9.7%
2021年度(令和3年度) 3,248人 199人6.1%
2022年度(令和4年度) 3,177人 193人6.1%

参考:特許庁

ここ5年間を見ても、弁理士試験が難関であることがわかります。直近の2022年度は合格者数も少なく、最終合格率も低いため、難易度がアップしていると言えるでしょう。

他の国家試験との難易度を比較

弁理士は他の国家試験と合格率を比較した場合にも難易度はかなり高めです。他の7士業の中では、司法書士の3~4%、社会保険労務士の4~6%に次いで、3番目に難しい結果となっています。

なお4位以降は土地家屋調査士・行政書士・税理士・弁護士・海事代理士です。ただしこれはあくまでも国家試験のみを比較した場合の数字であり、弁護士の場合は国家試験を受ける前に予備試験があります。その合格率が4%ほどなので、予備試験も含めると、弁護士のほうが難しいと言えるでしょう。

弁理士試験に合格しているのはどんな人?

弁理士試験に合格しているのはどんな人?

2022年度の弁理士試験に合格している人の傾向を見ると、職業では会社員、理系と文系では理系が多い結果が出ています。年齢別では30代がもっとも多く、男女別では男性が多いです。

合格者で多い平均受験回数は1~5回、合格に必要な平均勉強時間の目安は約3000時間とされています。これらの数字からも弁理士試験の難しさの一端がうかがえるでしょう。

それぞれ詳しく解説していきます。

職業別・理系文系別の傾向

下の表は2022年度の弁理士国家試験合格者の職業別の内訳を表したものです。

職業別 割合
会社員 45.6%
特許事務所 33.2%
無職 6.2%
公務員 4.7%
学生 3.1%
自営業 2.5%
法律事務所 2.1%
自営業 1.0%
教員 0.0%
その他 4.1%

参考:特許庁

会社員が半数近く、ついで特許事務所となっており、合格者の多くは働きながら受験しています。出身校の系統別では理工系が76.7%、法文系15.0%、その他が8.3%です。

年齢別・男女別の傾向

2022年度の合格者の年齢別内訳は、20代34.2%、30代36.3%、40代22.3%、50代6.7%、60代0.5%です。30代がもっとも多く、続いて20代と40代が並び、20代~40代合わせて90%超を占めています。

男女別の合格者は男性68.9%、女性31.1%です。弁理士は他の士業と同じように、結婚・出産などで休職した場合でも復帰しやすいため、女性が活躍しやすい資格の1つと言われています。

平均受験回数と平均勉強時間

2022年度の弁理士国家試験合格者の平均受験回数は3.4回です。前年度は3.7回であったため、受験回数は減少傾向がありますが、数年間はかかると想定したほうがいいでしょう。

合格者の平均勉強時間は約3000時間とされており、働きながら受験している人が多いことから考えると、就業時間外に勉強時間を確保する必要があります。

弁理士試験の概要

弁理士試験の概要

弁理士試験には受験資格がないため、誰でも受験できます。試験は「短答」「論文」「口述」の3段階に分かれており、それぞれ時期が異なるのが特徴です。

「短答」の合格者が「論文」の試験を受ける資格を得られ、「論文」の合格者が「口述」の試験を受ける資格を得られます。ここでは受験資格と「短答」「論文」「口述」の試験の詳細について、解説します。

弁理士試験は誰でも受験可能

弁理士試験は学歴、年齢、国籍などによる制限は一切なく、受験資格もないため、誰でも受けることができます。例年、願書の提出期間は3月中旬~4月上旬です。

なお、短答式試験は5月中旬~下旬、論文式試験は6月下旬~7月上旬、口述試験は10月中旬~下旬がおおよその目安となっており、長丁場となるため、学習面だけでなく、体調面も含めてしっかりと準備しておく必要があります。

弁理士試験は「短答」「論文」「口述」の3段階

弁理士試験は「短答」「論文」「口述」の3段階に分かれており、「論文」はさらに必須科目と選択科目に分かれています。出題の範囲が広いことが、試験の難易度を高くしている要因でしょう。

なお、弁護士および7年以上の特許庁の審判官もしくは審査官として審判もしくは審査の事務に従事している場合は、3段階の試験が免除され、実務修習のみで弁理士資格を持つことができます。

「短答」「論文」「口述」の難易度と
攻略ポイント

「短答」「論文」「口述」の難易度と攻略ポイント

「短答」「論文」「口述」の難易度と攻略ポイントを解説します。2022年度の弁理士試験合格率は、「短答」10.3%、「論文」26.3%、「口述」96.4%で、「短答」の難易度が特に高いといえるでしょう。

しかし、合格しなければ次の段階に進めず、受験する段階で人数が絞られているため、合格率だけでは難易度を判断できません。それぞれの攻略ポイントを解説します。

短答は最初の関門

短答式試験は最初の関門です。特許・実用新案・意匠・商標・工業所有権に関する条約・著作権法・不正競争防止法などから、5肢択一式の問題が60問出題され、65%以上の正解が合格基準とされています。

問題は5分野に分かれており、各分野で最低40%以上正解する必要があるため、合格するにはこれらの法令を網羅して勉強することが必要です。

論文は必須3科目、選択1科目と広範囲

論文式試験は「特許・実用新案」「意匠」「商標」という必須3科目と選択1科目です。必須科目の合格基準は100点満点で平均54点ですが、47点未満の科目があると、不合格になるため、不得意科目を作らないようにする必要があります。

論文式試験は2時間と1.5時間の2種類あり、日頃から時間内で論文をまとめる練習をしておくことが大切です。

口述は合格率が高めだが油断は禁物

口述試験は合格率が96.4%と高めですが、油断はできません。今までの試験形式(ペーパー試験)と違い、試験官2名と問答すること、1科目10分という制限があることなど、緊張感が高まるシチュエーションだからです。

「特許・実用新案」「意匠」「商標」の3科目から口頭で出題されて、答える面接方式の試験で、2科目以上の答えが不十分である場合には不合格となります。面接慣れをしておく必要があるでしょう。

難易度の高い弁理士試験に
入念な準備で挑もう

難易度の高い弁理士試験に入念な準備で挑もう

2022年度の弁理士試験合格者は193人、最終合格率は6.1%であり、他の国家資格と比較しても、かなり難易度が高いと言っていいでしょう。合格者の平均受験回数は3.4回、平均勉強時間は3000時間が目安となっています。

試験は「短答」「論文」「口述」の3段階に分かれており、試験範囲はかなり幅が広いために、入念に準備し、勉強する時間を確保して、覚悟を持って挑んでください。

まとめ

弁理士試験の難易度と試験に受かるための攻略ポイントなどについて解説しました。

弁理士試験は「短答式試験」「論文式試験」「口述試験」の3つで構成されており、3つすべてをクリアしなければ最終合格を勝ち取れない試験です。試験範囲はかなり幅が広いため、入念に準備し勉強する時間を確保する必要があります。

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