外交官(外務省専門職)合格体験記
外交官を目指して

N・Rさん
Profile
| 研修語 | 英語 |
|---|---|
| 出身校 | 東京外国語大学 国際社会学部(在学中合格) |
| 合格年度 | 2025年度 |
| 選択科目 | 憲法 |
- 外務省専門職の志望理由:FOIP実現を目指して
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FOIPの要であるインド太平洋地域において、様々な分野で協力と対話を重ね、同志・同盟諸国と心と心の触れ合う相互信頼関係を構築し、安全保障環境の安定を実現したいと思い、外務省専門職を志望しました。
大学3年生の時、所属しているシンクタンクの研究の一環で、NATOでのインド太平洋に関する協議会にWPSの研究者として参加しました。会議は当初、非常に重苦しい雰囲気だったのですが、休憩時に和菓子を分け合い他愛のない会話を交わすうちに空気が和らぎ、率直で深い議論へと繋がりました。この過程を通じて、時間をかけて対話を重ねる中で育まれる信頼関係が、国際連携の基盤となることと共に、同志諸国との多層的な連携の重要性を実感しました。こうした学びから、複雑化するインド太平洋地域情勢に対応するため、「人間の安全保障」を含む多角的な外交を推進し、信頼を基盤とした安全保障環境の構築を目指したいと思い、外務省専門職を目指すようになりました。
- 私の国際法対策:ありがとう、サイトマップ。
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私は受験科目の中で、特に国際法が最も苦手であり、最後の最後まで苦労し続けました。国際法という科目の難点は、何と言ってもその範囲の広さにあります。条約法や国際紛争解決手続、国際人権法といった主要分野に加え、海洋法や環境法、国際経済法など周辺分野まで含めると、学ぶべき領域は膨大です。しかも、それぞれの分野には細かな論点が無数に存在し、国内法のように一度覚えれば終わりではなく、国際情勢や判例の変化に応じて常に知識をアップデートし続ける必要があります。この「広く深く、しかも変化する」という特性が、私にとって大きな壁となっていました。
そこで私は、膨大な知識を整理し、効率よく記憶するために「サイトマップ方式」を取り入れることにしました。これは、国際法の全体像を見渡せる地図のような形で単元を整理し、それぞれの論点を枝分かれさせて関連づけて覚える方法です。最初のうちは、そのサイトマップ自体を覚えるのも一苦労で、「こんな複雑な図を本当に使いこなせるのだろうか」と不安に思うこともありました。ですが、合格者アドバイザーの方々に相談し、重要度の低い部分を省いたり、自分なりに色分けやキーワード化をしたりするなど工夫を重ねた結果、ようやく自分にとって最も使いやすい形に仕上げることができました。
そして迎えた本番の筆記試験。国際法の問題は、論文答練や公開模試では一度も出題されたことのない論点がテーマとして登場し、一瞬「これはもう不合格かもしれない」と頭が真っ白になりました。しかし、その直前まで繰り返し見返していたサイトマップが頭に浮かび、その図を頼りに知識を引き出しながら、思い出せる限りの論点と事例を書き出しました。結果的に、その分野は自信のない領域だったにもかかわらず、1800字程度の論文として形を整えることができ、最終的に合格につながりました。
- 私の憲法対策:あてはめマスターになる!
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憲法は、理論面の理解と事例処理のバランスが重要であり、特に後半の事例問題では「あてはめ」の質が得点を大きく左右します。そこで私は、単に条文や判例を述べるだけでなく、「あてはめを充実させる」ことを強く意識して答案作成に臨みました。
具体的には、答案の後半で事例に対する自分の見解を述べる際に、「たしかに本事例には○○という側面も存在する。しかし△△の側面の方が人権保障上より重要である」というように、逆説構造を取り入れて論旨に奥行きを持たせる工夫をしました。この方法を使うことで、単調な賛否の羅列ではなく、複数の観点を踏まえた説得力のある論理展開が可能になります。
また、理論を磨くだけでは実戦力はつかないと考え、憲法担当の講師にお願いして、過去問だけでなくオリジナルの類題も数多く出していただきました。そして、その問題に対してひたすら答案のあてはめ部分だけを考える「憲法あてはめ100本ノック」に取り組みました。限られた時間で事例の事実関係を整理し、論点に沿った適切な事実を引き出して文章化する作業は、非常に地道で体力のいる訓練でしたが、その積み重ねが確かな自信につながりました。
憲法を得点源にすることは、必ずしも簡単な道ではありませんが、あてはめの練度を高めれば、高得点を狙える可能性が大いにあります。国際法など他科目に不安がある受験生こそ、戦略的に憲法を武器にすることを検討してみてほしいと思います。
- 面接試験対策:☆全力!自己プロデュース☆
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私見ですが、外務省専門職試験で最も難しいのは人物試験だと考えています。TACの模擬面接では本番と同様の形式で、圧迫的な質問や深掘りに対する受け答えを繰り返し練習しました。本番では面接官に加えてドクターが受験者の精神状態や表情を確認するために同席することがあり、視線や仕草の癖も見られます。私は「視線で落とされたくない」と考え、自分の視線の癖を徹底的に分析して矯正しました。併せて録画で話し方を確認し、落ち着いた「外交官らしい」話し方を反復して身につけたことで、本番で動揺せず受け答えできました。
- 試験の思い出話:英語試験での大失態
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最後に、私のやらかし話を一つ。英語面接のテーマが「Brexit」だったのですが、面接官に「Brexitはイギリス経済にどんな影響を与えたと思う?」と聞かれ、欧州諸国を未履修だった私は大パニック。挙句の果てに「イギリスではユーロの価値が下がりました!」という、とんでも発言をしてしまいました。当然すぐに「あなたはイギリスでユーロが使われていると思うの?」と突っ込まれ、その瞬間、試験は終わったと悟りました。皆さん、イギリスはユーロ圏ではありません。覚えておきましょう。
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