電気工事士のCBT試験とは?
CBT方式のメリット・デメリットを解説
令和9年度(2027年度)より、電気工事士(第一種・第二種)の学科試験は、原則CBT方式へ全面移行いたしました。
このページでは、そもそもCBT試験とは何なのか?申込の手順、そしてCBT方式に対応した効率的な学習方法について分かりやすく解説します。

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CBT方式導入の目的と受験申込の流れ
CBT方式移行の目的
受験者の利便性向上
- CBT方式での開催期間(3~4週間程度を予定)内で、曜日、時間を選択して受験可能
- 試験会場は、全国に約200箇所を予定しており、その中から選択可能
- CBT方式は、試験日の3日前まで試験会場及び試験日時の変更が可能
つまり、これまでは指定された日時での受験が難しければ受験自体を延期または諦める必要もありましたが、今後は学校や仕事などの都合に合わせて受験計画を立てることも可能となります。また、受験会場の数も増えるため、さらに受験をしやすくなることが想定されます。
なお、試験センターの資料にもある通り、CBT方式での受験希望の場合でも、試験会場の状況によっては、希望の日時を選択できない場合や、満席等の理由によりCBT方式を選択できない場合もありますので注意が必要です。
CBT方式申込の流れ
- 受験申込期間に、原則「インターネット」にて受験申込を行います。
- 受験申込確定後、指定された会場申込期間内に、別途CBT会場申込手続(試験会場及び試験日時の選択手続き)を行います。受験者マイページの「CBT会場の予約」というボタンから申請が可能です。期間中にCBT会場予約を行わなかった場合は、試験は欠席扱いとなりますのでご注意ください。
- CBT会場申込で選択した試験会場・試験日時は、試験日の3日前までに限り、変更が可能です。ただし、変更先が選択可能な場合に限るため、試験会場の状況によっては希望の会場・日時を選択できない場合もあります。
電気工事士CBT試験の特徴
電気工事士試験の合格を目指す受験予定者にとっては、CBT試験方式への移行によって、電気工事士試験の内容がどう変わるのか、そして受験者は事前にどう対応すべきなのかが気になる点です。ここでは、CBT試験制度の特徴と内容について解説します。
CBT試験方式では、従来の筆記方式とは異なり、出題・解答・採点がすべてコンピューターで一括管理された状態で実施されます。とはいっても、試験の解答方式が「紙に鉛筆でマーキングする」か「PC画面にマウス(キーボード)で入力するか」の違いであり、問題自体に両者の違いはありません。
試験終了後、画面には設問に対する正答数が表示されますが、合否は表示されません。
CBT試験とは?CBT方式ってどんな試験?
CBT(Computer Based Testing)方式=コンピュータを利用して実施する試験方式のこと

PC・英語などの資格試験の他、企業内試験でも採用
かつては日商簿記へのCBT方式導入で話題となりましたが、現在ではビジネス系資格をはじめ、各種国家資格、企業内の社内試験に至るまで、幅広く標準的な試験方式として定着・普及しています。
・所定の期間内に受験場所、試験時間を選択して予約を入れ、当日テストセンターに行って試験を受けます。
・問題は紙ではなく、画面上に映し出されます。試験によっては別途メモ用紙・計算用紙が支給され、メモしたり、計算した回答をPC画面の選択ボタンで解答していきます。
試験は解答が始まったところから時間がカウントダウンされ、時間いっぱいになると解答できなくなる仕組みです。
CBT方式のメリット・デメリット
電気工事士試験の学科試験は、令和8年度(2026年度)までは筆記方式とCBT方式の二者選択制になっていましたが、令和9年度(2027年度)より原則CBT方式での受験のみとなりました。ここでは、CBT試験方式のメリットとデメリットを検証してみましょう。
メリット
受験会場が増える
CBT試験方式では、試験を運営する側が試験会場に問題用紙や解答用紙を持ち込む必要がありません。運営側が用紙を配布し回収する作業が不要です。これによって、従来の試験方式に比べて試験会場が増えます。
元来、CBT試験方式導入の目的が「受験しやすくして合格者を増やす」ことにあるため、CBT試験方式の会場は、筆記方式の受験会場と比べて増加します。受験者にとっては、受験会場が増えることで移動距離が短縮となるメリットはかなり大きいといます。
複数の日程と時間帯を選択できるようになる
CBT試験方式により、試験会場が増えることと同時に、これまでの固定化された試験の日時も幅が広がります。また、令和9年度の原則CBT化に伴い、実施期間も大幅に延長されています。半年に1回程度だった試験スケジュールの日程が増えることによって、受験者は自分の都合のよい日時を選択して受験できるようになるわけです。
特に、仕事の都合で試験日程が合わずに受験を断念することもあった社会人にとっては、受験日の日程と時間帯の選択肢が増えることはありがたいことです。これは受験制度自体が受験者への受験ハードルを下げる意味があるため、受験の推進効果につながるといえるでしょう。
マークのための時間を短縮できる
受験会場、日程・時間帯の増加に加えて、CBT試験方式で実際に受験をする際にも時間短縮のメリットがあります。
筆記方式では、マークシートを塗りつぶしたり消したりする作業を50問分繰り返すのに対して、CBT方式では解答の選択や変更をワンクリックで行うことができるので、解答にかける時間の短縮が可能といえます。
デメリット
受験者にとって、メリットが大きいCBT試験制度ではありますが、一方でデメリットもあることも理解しておきましょう。CBT試験制度のデメリットは以下の3点に絞られます。
問題を持って帰れない
CBT試験制度は、出題・受験から採点までの全工程がコンピューターにて一元管理されるペーパーレス化された試験システムです。すなわち、試験は紙を一切使わずパソコン画面で実施されるため、試験会場では問題用紙も解答用紙も配布されません。
従来のマークシートタイプのペーパーテスト方式では、試験問題用紙と解答用紙が別々に配布されていました。この際、受験者は試験時間が終了すると、解答用紙のみを提出し、問題用紙を持ち帰ってよいことになっていました。
紙を使わないCBT試験制度で問題の持ち帰りができず、試験問題・解答の公表がないため、帰宅後に試験問題を再チェックしたいという受験者にとって、問題持ち帰りができない点は、CBT試験のデメリットといえるでしょう。
答え合わせができない
CBT試験制度では、試験問題の持ち帰りができず、試験問題・解答の公表もされません。したがって、従来の筆記方式のように、受験後に持ち帰った試験問題を自宅で再読して、当日の自分の解答と照らし合わせての「答え合わせ」ができないというデメリットがあります。
CBT方式では試験終了後の画面に正答数が表示されますが、試験問題・解答の公表はないため、受験後に試験問題を確認して答え合わせをしたいと願う受験生にとっては、CBT試験制度はこの点において不便さや不満を感じるかもしれません。
画面上の問題を見ながら解答するための練習が必要
CBT試験方式では、画面上に表示される問題や回路図を見ながら解答を導き出す必要があるため、慣れないと見落としや間違いが起こりやすい点には注意が必要です。同様に、問題用紙がないため、配線図の問題での書き込みも画面上で行うか、画面を見ながら計算用紙に書き写すなどの工夫が必要となります。
これらの点は練習をして慣れることができるため、デメリットとはいえませんが、本試験でいきなり取り組むとなると時間を取られたり、ケアレスミスにつながる可能性もありますので、CBT方式での受験に慣れていない方は事前に練習をしておくと安心です。
データで見るCBT導入による変化
令和5年度(2023年度)に学科試験へCBT方式が導入されて以来、受験者の行動スタイルには明確な変化が表れています。
CBT方式を選ぶ受験者が年々増加
導入初年度(令和5年度)の時点では、CBT方式を選択した受験者は全体の約10〜14%にとどまっていました。しかし、「土日以外の平日も選べる」「近所のテストセンターで受けられる」という利便性が認知されるにつれ、CBT方式での受検者は年々増加しました。
| 第二種 CBT方式受験者数 | 第一種 受験者数 | |
|---|---|---|
| 令和5年度 (上期) | 70,414人(CBT方式8,221人、筆記方式62,193人) | 33,035人(CBT方式2,788人、筆記方式30,247人) |
| 令和5年度 (下期) | 63,611人(CBT方式8,980人、筆記方式54,631人) | ※第一種は令和5年度まで年1回実施 |
| 令和6年度 上期 | 70,139人(CBT方式10,730人、筆記方式59,409人) | 11,997人(CBT方式のみ) |
| 令和6年度 下期 | 62,323人(CBT方式11,143人、筆記方式51,180人) | 23,323人(CBT方式3,710人、筆記方式19,613人) |
| 令和7年度 上期 | 70,945人(CBT方式14,090人、筆記方式56,855人) | 13,524人(CBT方式のみ) |
| 令和7年度 下期 | 68,142人(CBT方式13,583人、筆記方式54,559人) | 22,630人(CBT方式4,569人、筆記方式 18,061人) |
| 令和8年度 上期 | 78,290人(CBT方式36,447人、筆記方式41,843 人) | 14,507 人(CBT方式のみ) |
「CBT化で合格しにくくなるのでは?」と懸念する声もありましたが、第二種電気工事士・第一種電気工事士ともに、学科試験の合格率はCBT導入前後で概ね50%〜60%台を維持しています。
データの通り、試験方式がCBTに移行しても出題される知識の難易度や合格ラインは変わっていません。むしろ、自分の学習スケジュールに合わせて受験日を選べるようになったことで、しっかり準備を整えて本番に臨みやすくなったといえます。
CBT方式も試験内容や基本的な勉強法は変わらない!

試験内容・難易度はこれまでと同じ!対策のポイント
本記事では、電気工事士試験のCBT試験制度の内容と注意点、メリットやデメリットなどについて解説しました。 学科試験が原則CBT方式へ移行しましたが、電気工事士はあくまで国家資格ですので、受験方式によって出題される問題自体の難易度や、合格に求められる基準が変わることは考えられず、合格に必要な知識や学習内容には変わりはありません。出題範囲や基礎知識の重要性はこれまで通りです。
試験対策においては、PC画面上で問題を解くトレーニングを行っておくことが大切です。紙のテキストだけで学習していると、「本番でPC画面の配線図が見づらく感じた」「画面上のタイマーに焦ってしまった」といった不慣れによるミスが生じやすくなります。知識のインプットに加え、PC画面上での問題演習(Webトレーニング等)を取り入れ、画面操作やメモ用紙の使い方に事前に慣れておきましょう。
しっかり準備を整えて合格を目指しましょう。
まとめ
- CBT方式の導入でこれまでよりも受験しやすくなる
- 試験会場の増加+実施期間の大幅延長により、受験機会が拡大
- 同一の資格を得られる国家試験のため、CBT方式も試験内容や基本的な勉強法は変わらない!
- ただし、CBT方式での受験の場合、画面上で問題を見ながら解答するための練習は必要













