簿記検定 豆知識・用語集 日商2級(工業簿記)

豆知識一覧

1.原価計算には、どんな種類があるのですか

原価計算とは、工企業の製品原価(製造原価)を正確に求め、この情報を利用するために行われるものです。原価計算の目的には、いくつかありますが、情報の利用方法の違いにより大きく分けて(1)財務諸表作成目的と(2)経営管理目的の2つがあります。(1)の目的のために企業の生産形態(受注生産か大量生産)にあわせて個別原価計算、総合原価計算のいずれかが適用されます。また、(2)の目的のために標準原価計算が適用されます。なお、上記の目的以外に短期利益計画という目的から直接原価計算という方法もとられます。以上のように原価計算の方法には、個別原価計算、総合原価計算、標準原価計算、直接原価計算の4つの方法があります。これらはその目的により標準個別原価計算、直接標準原価計算など組み合わせて適用することもあります。

2.工業簿記の総論(原価計算の意義・目的、原価の種類・分類等)部分が何となくぴんとこないのですが

総論部分については、工業簿記・原価計算をこれから勉強していく上での、フレームワークとして大筋をとらえる程度で大丈夫です。各論を勉強していくうちに理解できるようになる部分もあります。ひととおりすべてを勉強し終わった段階で、もう一度読み返してみて下さい。ただ、勘定の連絡(コスト・フロー)は、これから材料費→労務費→と勉強していく上で、必要になってきますからしっかり把握しておいてください。 

3.変動費と固定費はイメージできるのですが、準固定費と、準変動費がよく分からないのですが

準変動費は、例えば電力料のように、まったく電気を使わなくても一定の基本料金がかかり、使用に伴う電力料がそれに上乗せされていくような変動費をいいます。また、準固定費は、一定の操業を越えると原価が増加するような原価をいいます。例えば、1日あたりの操業を8時間とし、監督者を1人月給¥200,000で雇っていたとして、1日あたりの操業を2倍の16時間にすると、監督者をもう1人雇わなければならないので、操業16時間をさかいに労務費が一気に¥400,000となり、更に24時間操業になると¥600,000の労務費が必要となります。このように、ある操業度をさかいに、原価が2 倍、3倍となるような原価を準固定費といいます。

4.工業簿記と原価計算はどう違うのですか

工業簿記は、原価計算の結果をもとに、仕訳したり、勘定記入したり、財務諸表を作成したりすることをいいます。原価計算は、その名前のとおり原価の計算までをいいます。ですから、工業簿記の範疇に原価計算は含まれることになります。

5.過去に出題された問題を解いてみると「素材」や「買入部品」勘定を使用する場合と「材料」勘定のみを使用する場合があるようですが、どう違うのですか

「材料」勘定は、「素材」「買入部品」「消耗工具器具備品」「工場消耗品」勘定をまとめた統括勘定と考えて下さい。本試験の際に、仕訳問題には使用する勘定が必ず与えられますから、「材料勘定」のみで仕訳する場合と、具体的な科目(「素材」・「買入 部品」勘定)を使って仕訳する場合の区別は付きます。なお、最近の問題は、「材料」勘定のみを使う場合が多いようです。 

6.違う単価の材料を購入していた場合に、棚卸減耗が発生した場合、どの材料単価を使えばよいのでしょうか

先入先出法を用いている場合、古い材料から払出を行う(消費する)という前提に基づいて消費単価を決定するので、手許に残っている材料が、新しい単価のものになります。この前提に基づいて減耗材料の単価も決定します。

7.材料の棚卸減耗費は、なぜ製造間接費として処理するのですか

製品との関連における分類によって製造直接費と製造間接費を分類する場合、なくなった材料の原価(棚卸減耗費)は、どの製品を製造するのに、どれだけ材料がなくなったのかを把握することができないので、すべての製品を製造するためにかかる共通の原価としてとらえ、製造間接費として処理します。

8.棚卸減耗費で正常と異常では処理が違うのですか

材料の棚卸しにより生じる棚卸減耗について、正常な範囲であれば原価に含めますが、異常であれば原価外とします。なお、異常な原因による棚卸減耗費は損益計算書(営業外費用又は特別損失)に記載されます。

9.材料の形態別分類における補助材料や、工場消耗品・消耗工具器具備品費が材料費に含まれるのはなぜですか

例えば、消耗工具器具備品費に含まれるスパナやドライバーなどは、直接製品に取り付けられるわけではないのですが、原価計算基準において、「材料費とは物品の消費によって生ずる原価をいい…」と材料費を定義付けしていますから、工場内で製品を製造するために使われる物品の消費額に含まれるので、材料費に含めます。

10.賃金勘定で処理する原価と給料勘定で処理する原価の違いはなんですか

賃金勘定で、工員の給与を処理し、給料勘定で現場監督者や工場事務員に対する給与を処理します。なお、両方を合わせた賃金給料勘定を使う場合もあります。

11.なぜ直接工についてのみ消費賃率を使用し、間接工については消費賃率を使用しないで、要支払額によって消費賃金を算定するのですか

間接工についても直接工と同様に、作業時間を測定して、その作業時間に消費賃率を乗じて、消費賃金を計算する方が原価管理上は好ましいのですが、間接工の作業は直接工のそれに比べて重要性が乏しく、実務上、相当の手数と費用を要することから、簡便的に要支払額により消費賃金を計算します。なお、原価計算基準において「間接労務費であって、間接工賃金、給料賞与手当等は、原則として当該原価計算期間の負担に属する要支払額をもって計算することができる。」としています。

12.経費には材料費や労務費のように差異がないのですか

経費に属する費目のほとんどが、間接経費であるため、経費という範囲の中では原価差異を把握せず、製造間接費として予定配賦を行った際、これを原価差異(製造間接費配賦差異)として求めます。 

13.保険料や水道光熱費は支払経費に含めず月割経費・測定経費とするのはなぜですか

経費の分類についてはあまり神経質にならなくても良いと思います。確かにご指摘のとおり保険料や水道光熱費は、現金による支払も行われますが、月割経費・測定経費としての分類を優先させ、それにあてはまらない経費で支払われる経費項目について、支払経費としてとらえてください。 

14.製造指図書に番号がないのはどうするのですか

個別原価計算で発行される特定製造指図書は、受注製品の製造に対する指図書(仕様書)であり、問題などで材料等の消費額について、指図書の番号が明記されてるときは、その指図書の製造原価として賦課(直課)します。しかし、材料等の消費額について、指図書の番号が明記されていないときは、製造中のすべての製品に共通して発生したものと考え、これを製造間接費とします。 

15.製造間接費の配賦がよく分かりません。そもそも、なぜ、製造間接費を製造直接費と分けて把握するのですか?後で製品に配賦するのであれば、最初から各製品に分けられないのですか

製造間接費は、どの製品をつくるのにどれだけ原価がかかったのかを把握できないものです。製品を製造する際にかかる、電力料をイメージして下さい。工場で消費される電力料は、どの製品をつくるのにどれだけかかったかを把握することはできませんが、製品を製造するためにかかった原価には違いないので、何らかの基準で各製品に割り振る手続きが必要になります。この電力料のように、どの製品をつくるのにどれだけかったかを把握できない原価(工場建物の減価償却費・機械の減価償却費・工場建物の家賃等)を製造間接費勘定に一旦集めて、直接作業時間等の基準で割り振る手続きが必要になります。これが製造間接費の配賦です。

16.製造間接費の配賦計算を行う際に、配賦基準に何を使うかによって、各製品への配賦額が変わってきますが、これにより製品原価が変わると思うのですが、問題ないのでしょうか

製造間接費の配賦基準数値に何を使うかは、その企業にとって最も適切な数値を選択して配賦計算を行います。何を配賦基準に使うかによって、原価は変わってきますがそれは問題ありません。

17.部門別個別原価計算の際の仕訳を貸借逆にしてしまうことが多いのですがなぜでしょうか

勘定連絡図をイメージして、勘定連絡図の上でどの流れについて計算しているのかを常に意識しながら問題を解くようにして下さい。仕訳で、貸借逆になるような誤りは、確実に減ると思います。

18.仕損に関する用語は、どれも類似している名称が使われているので、区別が付けにくいのですが

仕損については、仕損に関する用語をとらえておかないと、問題文に書いてある内容が分からなくなりますから、仕損に関する用語を説明しておきます。仕損の発生:規格に合わない不合格品ができてしまったことをいいます。仕損品:規格に合わない不合格品のことを指します。仕損費:仕損品を合格品にするためにかかった原価(会社にとっての損害額)をいいます。仕損品評価額:不合格品の価値(売却した場合の価値等)をいいます。

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