司法試験予備試験とは?合格率や試験制度まで動画付きで徹底解説!

司法試験予備試験とは

司法試験予備試験とは「司法試験の受験資格を得るための試験」

司法試験予備試験とは、司法試験を受験するにあたって「法科大学院修了程度の知識・能力があるかを判定する試験」です。

予備試験に合格すると、法科大学院を修了していなくとも司法試験の受験資格を得ることができますので、法科大学院に通っていない方やお仕事を続けながら法曹を目指す方にとっての第一関門と言えます。

このページでは、そんな司法試験予備試験の日程や合格率を最新のデータで紹介するとともに、予備試験合格者講師である小堀講師が過年度の司法試験予備試験論文式試験がどんな試験だったか丁寧に解説します!

動画で解説!「5分で分かる!予備試験」

現行の予備試験制度について説明しています。
「予備試験って超エリートが受かる試験でしょ?」
いえいえ、決してそうではありません!

1.受験資格と願書について

受験資格

ありません。どなたでも受験できます。

出願

出願時期は、1月頃。願書は郵送、法務省来庁で交付。

参考:令和4年出願日程
試験公告:令和3年11月8日(月)
願書交付:令和4年1月4日(火)~1月28日(金)
願書受付:令和4年1月17日(月)~1月28日(金)

2.司法試験予備試験の日程

短答式試験は5月中旬、論文式試験は7月中旬、口述試験は10月下旬に実施されます。

参考:令和4年試験日程

     
試験科目 時間/配点
2022/5/15(日) ・短答式試験 民法/商法/民事訴訟法
・短答式試験 憲法/行政法
・短答式試験 刑法/刑事訴訟法
・短答式試験 一般教養科目
・1時間30分/各30点
・1時間/各30点
・1時間/各30点
・1時間30分/60点
2022/7/9(土) ・論文式試験 憲法/行政法
・論文式試験 刑法/刑事訴訟法
・論文式試験 選択科目
・2時間20分/各50点
・2時間20分/各50点
・1時間10分/50点
2022/7/10(日) ・論文式試験 法律実務基礎科目(民事・刑事)
・論文式試験 民法/商法/民事訴訟法
・3時間/各50点
・3時間30分/各50点
2022/11/5(土)~11/6(日) ・口述試験 法律実務基礎科目(民事・刑事) ・各20~30分/各63点

令和5年司法試験予備試験の実施日程について

  • 令和5年司法試験予備試験については、令和5年7月中旬に短答式試験、同年9月上旬に論文式試験、令和6年1月中旬~下旬に口述試験が実施され、同年2月上旬に最終合格発表が行われることが決定されており、法務省HP上でも発表されております。詳細は、以下「司法試験委員会会議(第168回)議事要旨」内の記載にてご確認いただけます。
    ※試験日等の詳細は現在未定となっております。後日発表となりますので、法務省HPにて適宜ご確認ください。

試験地

短答式試験:札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市
論文式試験:札幌市、東京都、大阪市、福岡市
口述試験:東京都又はその周辺

3.司法試験予備試験の合格率

傾向

合格率は、毎年大体3~4%程度です。受験者は、年々増加傾向にあります。

ポイント解説:どんな方が予備試験を受けているの?

  • 大学生/法科大学院生等…約5,000名
  • 会社員/公務員等・・・約5,800名
  • 無職/その他…約3,500名

ということで、司法試験予備試験は、受験生約14,300名のうち、大別すると学生が35%、社会人が41%の割合で受験している試験ということになります。合格率一桁の難関試験は学生や受験専念の方が多い印象がありますが、司法試験予備試験は、社会人の方でも仕事と両立して無理なく目指せる試験なのです!
※2021年司法試験予備試験受験生データより
※会社員/公務員等には、教職員/法律事務所職員/塾講師/自営業を含みます。

2018年~2021年の合格率データ


                                                                                                                                                                            
受験年度2021年 2020年 2019年 2018年
出願者数14,317人 15,318人 14,494人 13,746人
短答式試験受験者数11,717人 10,608人 11,780人 11,136人
短答式試験合格者数2,723人 2,529人 2,696人 2,661人
短答式試験合格率23.2% 23.8% 22.8% 23.8%
論文式試験合格者数479人 464人 494人 459人
論文式試験合格率18.1% 19.0% 19.1% 17.9%
口述試験合格者数467人442人 476人 433人
最終合格率 3.9% 4.2% 4.0% 3.8%

4.短答式試験について

出題科目

  • 憲法
  • 民法
  • 刑法
  • 商法
  • 民訴法
  • 刑訴法
  • 行政法
  • 一般教養科目(人文科学・社会科学・自然科学・英語)

合格基準点

参考:令和3年予備試験
各科目の合計得点が162点以上(270点満点)
※司法試験と異なり科目ごとの足切り点はありません。

短答式試験の問題とポイント

2021年刑法第2問

強盗の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。

  1. 甲は,銭湯の脱衣場で窃盗をしようと考え,客の財布を手に取って在中する金額を確認中, その様子を目撃した乙から声を掛けられたため,逮捕を免れる目的で,乙に反抗を抑圧するに 足りる程度の暴行を加えて加療約1か月間を要する傷害を負わせた。この場合,甲には,事後 強盗罪及び強盗致傷罪が成立し,両罪は観念的競合となる。
  2. 甲は,電車内で寝ていた乙の財布を盗んで電車を降りたが,乙が目を覚まして追い掛けてき たため,逮捕を免れる目的で,乙に暴行を加えたところ,乙が転倒して重傷を負い,反抗が抑 圧された状態に至った。この場合,甲の暴行の程度を問わず,甲には,強盗致傷罪が成立する。
  3. 甲は,留守宅に侵入して窃盗をしようと考え,金品を物色中に家人が帰ってきたら同人に反 抗を抑圧するに足りる程度の脅迫を加えて逃げる意図でサバイバルナイフを携帯し,住宅街を 徘徊して侵入に適した留守宅を探したが,これを発見できず,侵入を断念した。この場合,甲 には,強盗予備罪が成立する。
  4. 甲は,窃盗の目的で乙宅に侵入し,金品を物色中,乙に発見されたため,この機会に乙に暴 行を加えて金品を奪おうと考え,乙に反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加え,金品を奪っ た。この場合,甲には,事後強盗罪が成立する。
  5. 甲は,乙宅に侵入して財布を盗んだ後,誰にも発見されずに1キロメートル離れた公園へ移 動して財布内の現金を確認した。しかし,甲は,その金額に満足せず再度乙宅で窃盗をしよう と考え,乙宅を出た30分後に乙宅に戻り,その玄関扉を開けようとしたところ,帰宅してい た乙に発見されたため,逮捕を免れる目的で,乙に反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加え た。この場合,甲には,事後強盗罪が成立する。

ポイント

予備試験短答式試験の出題形式は、上の例のような正誤問題が中心です。
しかし、正誤問題には、全ての選択肢の正誤がわからなければ正解できない問題と、一部の選択肢のみ分かれば正解を導ける問題などいくつかの種類があります。

また、中には解答欄の括弧内に入る語句を選択させる問題や、判例や学説からどのような結論が導かれるかを答える論理問題も出題されます。

ポイント解説:予備試験経由合格者講師に聞く短答式試験学習のポイント

予備試験短答式試験学習のポイント

暗記に頼る学習は非効率です

問題文の各記述を単に暗記するのはやめましょう。結論だけ覚えたところで勉強の手を止めてしまうと、条文との繋がりのない知識になってしまうし条文を適用して解答を導く力は身に付きません。ですので関連条文を見付けてそれも押さえる学習が効果的です。漫然と問題に記載されている記述の結論を覚えても法律を適用する練習にはなりません。短答式試験の学習では、記述を覚えるのではなく、記述を利用して、その根拠条文や関連条文を頭に入れるのが良いと思います。

TAC/Wセミナー専任講師・弁護士 御堂地 雅人 講師

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5.論文式試験について

法律基本科目

  • 憲法

    表現の自由、職業選択の自由、幸福追求権、平等権等の、憲法上の権利に関する紛争についての出題や、国家の統治機構についての出題がなされます。

  • 民法

    貸した金を返してほしい、損害賠償を請求したい等、私人同士の権利の争いについての出題や、相続や離婚問題の出題がなされます。

  • 刑法

    暴行罪、傷害罪、公務執行妨害罪など、具体的な行為について犯罪が成立するのかしないのかを検討する等の出題がなされます。

  • 商法

    株主総会でミスがあった時どうすべきか、取締役が不祥事を働いたときどうすべきか等についての出題や、企業同士の合併の規律についての出題がなされます。

  • 民事訴訟法

    民法や商法を裁判の手続きに乗せた時、どのような点に気を付けなければいけないか等の出題や、裁判上の和解についてどう考えるか等の出題がなされます。

  • 刑事訴訟法

    警察が捜査をするにあたっての注意点は何か等の出題や、犯罪の成否を裁判で争うときにどのような点に注意すべきか等の出題がなされます。

  • 行政法

    違法建築の撤去処分、公務員の懲戒処分等、行政上の問題点についての出題や、国家賠償や損失補償についての出題がなされます。

予備試験特有の科目

  • 法律実務基礎科目(民事・刑事)

    民事は、裁判になったときに、どのような訴状を書くべきか等の出題や、証拠として出てきた書面が証拠として使えるのかどうなのかの判断をさせる等の出題がなされます。
    次に、刑事は、犯人と被疑者が本当に同一人物なのかどうかを客観的証拠から判断する等の出題や、公判前整理手続で何をすべきか等の出題がなされます。

  • 一般教養科目※2021年まで

    経済学者の文章や社会学者の文章などを読み、その意味するところを簡潔に要約させる等の出題や、課題を与えられ、自分の立場を明確にして文章を書く等の出題がなされます。

合格基準点

参考:令和3年予備試験
各科目の合計得点が240点以上
※司法試験と異なり科目ごとの足切り点はありません。

論文式試験の問題とポイント



2019年憲法より ↓↓(開く)

 甲市は,農業や農産品の加工を主産業とする小さな町である。近年,同市ではこれらの産業に 従事する外国人が急増しているが,そのほとんどはA国出身の者である。甲市立乙中学校は,A国 民の集住地区を学区としており,小規模校であることもあって生徒の4分の1がA国民となってい る。A国民のほとんどはB教という宗教の信者である。
 XはA国民の女性であり,乙中学校を卒業し,甲市内の農産品加工工場で働いている。Xの親 もA国民であり,Xと同じ工場に勤務している。この両名(以下「Xら」という。)は熱心なB教 徒であり,その戒律を忠実に守り,礼拝も欠かさない。B教の戒律によれば,女性は家庭内以外に おいては,顔面や手など一部を除き,肌や髪を露出し,あるいは体型がはっきり分かるような服装 をしてはならない。これはB教における重要な戒律であるとされている。
 ところで,Xが工場に勤務するようになった経緯として,次のようなことがあった。Xらは, Xの中学校入学当初より毎年,保健体育科目のうち水泳については,戒律との関係で水着(学校指 定のものはもちろん,肌の露出を最小限にしたものも含む。)を着用することができず参加できな いので,プールサイドでの見学及びレポートの提出という代替措置をとるように要望していた。な お,Xは,水泳以外の保健体育の授業及びその他の学校生活については,服装に関して特例が認め られた上で他の生徒と同様に参加している。
 しかし,乙中学校の校長は,検討の上,水泳の授業については,代替措置を一切とらないこと とした。その理由として,まず,信仰に配慮して代替措置をとることは教育の中立性に反するおそ れがあり,また,代替措置の要望が真に信仰を理由とするものなのかどうかの判断が困難であると した。さらに,上記のように,乙中学校の生徒にはB教徒も相当割合含まれているところ,戒律と の関係で葛藤を抱きつつも水泳授業に参加している女子生徒もおり,校長は,Xらの要望に応える ことはその意味でも公平性を欠くし,仮にXらの要望に応えるとすると,他のB教徒の女子生徒も 次々に同様の要望を行う可能性が高く,それにも応えるとすれば,見学者が増える一方で水泳実技 への参加者が減少して水泳授業の実施や成績評価に支障が生じるおそれがあるとも述べた。
 Xは,3年間の中学校在籍中に行われた水泳の授業には参加しなかったが,自主的に見学をして レポートを提出していた。担当教員はこれを受領したものの,成績評価の際には考慮しなかった。 調査書(一般に「内申書」と呼ばれるもの)における3年間の保健体育の評定はいずれも,5段階 評価で低い方から2段階目の「2」であった。Xは運動を比較的得意としているため,こうした低 評価には上記の不参加が影響していることは明らかであり,学校側もそのような説明を行っている。 Xは近隣の県立高校への進学を希望していたが,入学試験において調査書の低評価により合格最低 点に僅かに及ばず不合格となり,経済的な事情もあって私立高校に進学することもできず,冒頭に 述べたとおり就労の道を選んだ。客観的に見て,保健体育科目で上記の要望が受け入れられていれ ば,Xは志望の県立高校に合格することができたと考えられる。
 Xは,戒律に従っただけであるのに中学校からこのような評価を受けたことに不満を持っており, 法的措置をとろうと考えている。

〔設問〕
 必要に応じて対立する見解にも触れつつ,この事例に含まれる憲法上の問題を論じなさい。 なお,Xらに永住資格はないが,適法に滞在しているものとする。また,学習指導要領上,水泳実技は中学校の各学年につき必修とされているものとする。

ポイント

予備試験の論文式試験は、A4用紙1枚から長いと数ページにわたる事例(具体的にどのような事件が起きたかが書いてあります)を読み、その上で、設問に答えていく問題が出題されます。短答式試験よりも、よりその場で問題を考え解決策を導く論理的思考力や現場思考力が問われる試験となっています。

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※民法と刑法の解説動画は当ページ下部で公開しています。

6.口述試験について

出題科目

・法律実務基礎科目(民事)
・法律実務基礎科目(刑事)
※民事・刑事とも20~30分程度の時間内に一定の事例を発問され、口頭で答えていく方式です。
 

合格基準点

参考:令和3年予備試験
各科目の合計得点が119点以上

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