コラム 医療事務に向いているのはどんな人?~性格とスキル~

医療事務に向いている性格ってあるの?

医療事務に興味はあっても、自分に向いているのかどうかは気になるところ。誰にでも得意・不得意があるように、医療事務に限らず、どんなお仕事にも向き・不向きがあります。医療事務に向いているのはいったいどんな人なのか、求められる性格やスキルとは?詳しく見てみましょう。

医療事務に向いているのはどんな人?

立ち直りの早さも大事!?

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新米医療事務ハナコ 「はぁー、バタバタしましたねー。さっきはありがとうございました!危うくクレームいただいちゃうところでした・・・」

ベテラン医療事務カオルコ先輩 「今日は急な患者さん多かったからね・・・ 予約してきたのにちょっといつもよりお待たせしちゃったから、まあお怒りもごもっとも」

ハナコ 「先輩が対応してくれて本当に助かりました! いつも甘えちゃってすみません・・・」

カオルコ先輩 「まあ、ひとりでできるに越したことはないけどねー。 でも、変にがんばって長引かせてクレームになった後で投げられるよりも、自分じゃ対応できない!って早めに見極めて引き継いでもらった方が、こっちとしても対応のしようがあるからね。ハナちゃんの今日のパスの出し方は正解!」

ハナコ 「ホントですか? わたし向いてないんじゃないかって時々自信なくしちゃいます・・・」

カオルコ先輩 「いやいや、ハナちゃん立ち直り早いし笑、自分でできることと無理なことをちゃんと見極めていいパス出してくるし、けっこう向いてるんじゃないの?」

ハナコ 「えへへ。すみません(汗) うーん、あまり考えたことなかったけど、私たちの仕事に向いてるのって、どんな人なんですかね?」

カオルコ先輩 「そうだね、いくつかあると思うけど、例えば・・・」

“接客のある事務”としての医療事務 ~思いやり~

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カオルコ先輩 「何はさておき、医療事務は事務と言っても仕事のひとつは医療機関の受付だから、“接客の仕事”としての側面があるよね」

ハナコ 「医療もサービス業の1つと考えると、患者さん=お客さんってことになりますね」

カオルコ先輩 「うん。だから、“人と接する”っていう要素は必ずある。患者さんは基本的に何らかの病気にかかって受診するから、体も心もちょっぴり疲れてやってくるわけだけど、そんなときに自然な感じで元気をわけてあげられたらいいんじゃないかな」

ハナコ 「人と接するのが好きな人には向いてる仕事ってことですね」

カオルコ先輩 「そうだね。医療事務は初めてでも、接客とか受付とかの経験がある人には向いてるかも。ただもちろん、元気いっぱいだったらいいってわけじゃないよ・・・」

ハナコ 「・・・と、いいますと?」

カオルコ先輩 「大事なのは思いやり。1人1人ちがう、患者さんの気持ちを考えて応対するってこと!」

ハナコ 「思いやり・・・深いですね」

カオルコ先輩 「例えば・・・」

●初めて来院した患者に対して・・・
  ・院内に慣れていないので、より丁寧に受診の流れを説明するよう心がける
●小さなお子さんに対して・・・
  ・医療機関そのものに対して恐怖心がある場合もあるので、優しく話しかけて安心してもらう
●急いでいそうな患者さんに対して・・・
  ・わかる範囲で、診療までにかかりそうな時間をお伝えする

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ハナコ 「なるほどー、ちょっとしたことだけど、患者さんにも気持ちを汲んだことが伝わるかもしれないですね!」

カオルコ先輩 「それから、“接客”という意味ではお客さんは患者さんだけど、私たちが接する相手はそれだけじゃない。例えば、クリニックの電話が鳴ったら私たちが応対するけど、患者さん以外にも電話をもらう相手はいるよね?」

ハナコ 「医療材料や医薬品の業者さんだったり、地域の医師会の関係者の方だったり、院長が所属している学会の関係者の方だったり、あと単なる営業の電話だったり・・・」

カオルコ先輩 「どこからかかってきた電話にも“社会人”としての意識を持って適切に対応できるってことも、もちろん大事だね!」

チームの一員としての意識 ~コミュニケーション力と専門知識~

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カオルコ先輩 「ところでハナちゃん、医療機関に勤務している職員といったら、どんな人が思い浮かぶかな?」

ハナコ 「そうですねー。医師や看護師、私たちのような医療事務スタッフとか・・・?」

カオルコ先輩 「うちみたいなクリニックだと、それだけで運営されてることも多いよね。でも例えば病院だったら薬剤師さんや栄養士さんがいたり、レントゲンを撮影するための技師さんがいたり、リハビリの専門家である療法士さんがいたり・・・」

ハナコ 「たくさんいますね!」

カオルコ先輩 「歯科医院だと歯科医師のほかに、歯科衛生士さんや歯科助手さん・・・とかね。つまり、医療っていうサービスは、いろんな分野の専門家が自分の持ち前のスキルを発揮することで成り立ってるの。だから、大事なのはチームワーク。自分ひとりで黙々と仕事をこなせばいいんじゃなくて、周りの様子をうかがって、他のスタッフとコミュニケーションをとりながら動かなきゃいけない」

ハナコ 「なるほどー」

カオルコ先輩 「じゃあ、ここで質問。医学の専門家ではない私たち医療事務スタッフに求められる役割ってなんだろう?」

ハナコ 「うーん、患者さんに安心して受診してもらうってこと・・・?」

カオルコ先輩 「そうだね、だいたいあってる。私は、“受診している時間以外の時間を安心して過ごしてもらうこと”が大事だと思ってるの」

ハナコ 「受診している時間以外・・・ですか?」

カオルコ先輩 「診察室で診察を受けている時間以外、つまり来院から診察の順番が来るまでと、診察が終わってから会計を済ませてクリニックを出るまで、の時間だね」

ハナコ 「診察を受けている時間より、その他の時間のほうが実は長いかも・・・」

カオルコ先輩 「そうなの。だから、患者さんにとって利用しやすい医療機関であるために、その時間はとても大事。例えば・・・」

●少しでもリラックスできるような待合室の雰囲気づくり
●整理整頓を心がけて衛生的な印象づくり
●受付対応をしながらも待合室の様子に気を配っておく
●待ち時間を長くしないためにてきぱきと事務処理を行う
●患者の様子をそれとなく医師や看護師に伝えておく
●診察のペースから待ち時間がどのくらいになりそうか把握しておく

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ハナコ 「うう・・・先輩がそんなにも気を遣われていたとは、ぜんぜん気づきませんでした!」

カオルコ先輩 「それから、私たちにも実は専門家としての役割を発揮できる分野があるよね。何だかわかるかな?」

ハナコ 「・・・カオルコ先輩のお掃除テクニックにはいつも驚かされます!」

カオルコ先輩 「そうそう、お掃除は長年の一人暮らしで自然と身についた私の数少ない特技ではあるけど・・・ ってそうじゃなくて!」

ハナコ 「はいっ! 診療報酬についての知識ですよね、すみません・・・」

カオルコ先輩 「そう、正解。私たちは診療報酬についての専門家だから、患者さんが疑問に思ったことがあったら、きちんと説明してあげないとね!」

●チームの一員として医療事務スタッフが果たすべき役割
  ・“医療”以外の手段で患者に安心を与えること
  ・他のスタッフ(医師や看護師、医療事務スタッフ同士)と情報共有などでの連携をとる
  ・診療報酬の専門家としての役割を果たす

最低限のコンピュータ操作スキルは不可欠!

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カオルコ先輩 「これはあまり知られていないかもしれないけど、いまは医療事務もコンピュータ操作ができないと仕事にならないから、“全くパソコンさわれません”っていう人は、少し訓練しておいたほうがいいかな」

ハナコ 「医療機関もIT化が進んで、カルテも紙からデータにほとんど変わってますもんね」

カオルコ先輩 「そうなの。だから新しい患者さんが受診に訪れたら、患者さんのいろんな情報をコンピュータで入力する操作が必要だし、診察のあとも、診療内容の端末入力ができないと会計処理ができない。できないと、患者さんを無駄に待たせてしまうことになるから、クレームにつながる・・・」

ハナコ 「思い当たるふしがありすぎて耳が痛いです・・・」

カオルコ先輩 「いやいや、慣れないうちの操作ミスがいけないって言ってるんじゃないの。医療機関が導入しているソフトはいろんな種類があるから最初のうちは操作に慣れないし、ミスは誰にでもあるからね」

ハナコ 「よかったー、じゃ、どういうスキルがないと問題になるんですか?」

カオルコ先輩 「どんなソフトを扱うにも共通して必要になるコンピュータ操作の基礎みたいなものかな。キーボードをある程度以上の速度でたたいて文字入力ができるとか、マウスを操作してポインタを動かしたり、クリックやダブルクリックのような基本的な操作がすんなりできるとか、その程度のレベルで大丈夫」

ハナコ 「むむ・・・たしかに、そのくらいの基礎は身につけておかないと、何にもできないですよね」

カオルコ先輩 「そういうこと。でも、求められるのはあくまでその程度だから、いままで全くさわったことありませんっていう人も、これからちょっと練習すれば追いつけるはずだよ」

ハナコ 「パソコン教室みたいなのがあれば、初歩のところを習得しておくといいかも」

カオルコ先輩 「実際、PC操作のスキルは採用面接のときに問われることが多いから、“基本的な操作は問題ありません”って自信をもって言えるようにしておきたいね」

●採用に臨むまでに身につけておきたいPCスキル
  ・キーボードを使った文字入力
  ・マウスの基本操作(ポインタの操作、クリック、ダブルクリック、右クリック)
  ・ソフトを起動したり、終了したりする操作
  ・作業中のファイルを保存したり、保存したファイルを開いたりする操作

医療機関で働く意識 ~正確性とスピード感~

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カオルコ先輩 「そういえば昔、どうしても向いてないなって思った子がいたなぁー。ふたり」

ハナコ 「えっ!? ふたりもですか?(汗) ・・・私のことじゃないですよね?」

カオルコ先輩 「ハナちゃんのことじゃなくて。ひとりは、ものすごく要領がいい感じの子で、何でもサクサク片付けていくんだけど・・・」

ハナコ 「よさげな感じじゃないですか!」

カオルコ先輩 「致命的にいい加減でテキトーな仕事ぶりだったんだよねー。早いのはいいんだけど、間違いだらけだし分からないことも確認しないでテキトーに進めちゃうし」

ハナコ 「あぁ (涙)」

カオルコ先輩 「慣れないうちのミスとかは仕方がないけど、できないなら確認するとか、同じミスはしないように反省して覚えようとするとか、そういうことが全くできないのはさすがにね。どんな仕事だってそうだけど、医療機関ではなおさらね。 ・・・そしてもうひとり、真逆のタイプが。」

ハナコ 「真逆っていうと、正確で丁寧だけど・・・?」

カオルコ先輩 「そう。なにしろ、とんでもなく遅い・・・はぁ(遠い目)」

ハナコ 「うぅっ ・・・(涙)」

カオルコ先輩 「完璧にミスなくサクサク仕事ができる! なんて自信満々な人もいないと思うけど、例えば分からないことを調べたり誰かに確認したりすることがあまりにも嫌いだとか、何をやるにも時間がかかりすぎちゃうとか、色んなことに気を配るのがとにかく苦手だとか、そういう人には正直厳しいかなー。患者さんのためにも、周りのスタッフのためにもだけど、なにより本人が辛いんじゃないかなって。特別なことはなくて、ふつうに家事しながらお子さんの面倒みたりしてるお母さんとかなら当たり前にできるようなことだけどね」

ハナコ 「正確性と、スピード感。 肝に銘じて精進します・・・!」

まとめ

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ハナコ 「普段はあまり意識しないけど、私たちの仕事も決して“誰でもできる”ってわけじゃなかったんですね!」

カオルコ先輩 「そのとおり。大きく分けると、接客においては思いやりとある程度の心の強さ、それからチームワークを重視する気持ち、スキルとしては最低限のPC操作と、診療報酬についての知識が大事かな」

ハナコ 「なるほどー、いまので、私が医療事務を続けてこられた理由もよくわかりました!」

カオルコ先輩 「ん? なになに?」

ハナコ 「チームワーク! カオルコ先輩あっての私ですから!」

カオルコ先輩 「じゃあチームの一員として私のテクニックを受け継いでもらわなきゃいけないから、今週のお掃除当番はハナちゃんね!」

ハナコ 「そ、掃除のプロは先輩お一人でじゅうぶんですよー・・・」

●医療事務に向いている人物像
 ・接客: 思いやり、クレームに負けない心の強さ
 ・チームワーク: 他のスタッフとコミュニケーションをとりながら仕事ができること
 ・性格: 調べ物が好き、素直さ、スピード感
 ・スキル: 最低限のPC操作、診療報酬の知識

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