コラム 男性でも医療事務になれる? 少ないからこそ貴重な戦力
医療事務は女性の仕事?
医療機関の受付で男性を見かけることが少ないことから、女性のお仕事のイメージが強い医療事務。そもそも、男性が医療事務としてお仕事をするチャンスは開かれているのでしょうか?男性が医療事務の就業を目指す際のポイントは?詳しく見てみましょう

男性は医療事務スタッフになれないの?
新米医療事務ハナコ 「カオルコ先輩、ちょっと相談したいことがあるんです」
ベテラン医療事務カオルコ先輩 「ん? どうしたの? 来週のシフトなら替わってあげられないよ!」
ハナコ 「ちがいますよー、あの、医療の業界の話なんですけど・・・」
カオルコ先輩 「ぎ、業界って・・・わたしもハナちゃんよりは先輩だけどただの事務スタッフの端くれで、そんなに難しいことはわからないけど」
ハナコ 「実は、私の高校時代の友達が、私と同じように医療事務を目指そうと考えているみたいなんです」
カオルコ先輩 「ふーん、やればいいじゃん」
ハナコ 「実はその友達、男性なんです。男性の医療事務って見かけないから、勉強しても就職できないんじゃないかなって思って・・・」
カオルコ先輩 「な、なるほど・・・確かに一筋縄ではいかないかもしれないね。でも、全くチャンスがないわけじゃないよ。例えば・・・」
男性が医療事務として勤務しているケース
──男性の医療事務スタッフが勤務しているケースには、例えば以下のようなものが考えられます。
<男性医療事務が勤務しているケースの例>
・病院の夜間救急の受付
・病院の事務長クラスとして勤務
・家業の手伝い
・クリニックにおいて、そもそも開院時から経営に関わっている
カオルコ先輩 「改めて考えてみると、私たちが勤務しているようなクリニックよりは、ある程度以上の規模の病院のほうが、お仕事をするチャンスがありそうだね」
ハナコ 「以前、夜勤のアルバイトをしていたこともあるみたいだから、夜間救急みたいな夜通しの仕事もできると思います!」
カオルコ先輩 「医療事務の仕事をする女性に、深夜の受付業務を引き受けられる人は少ないだろうからね。そういう現実を埋め合わせてくれるのが、やっぱり男性っていうことなのかな」
男性医療事務を勤務させることのメリット
カオルコ先輩 「いまの話とも関係するけど、医療機関側にも、男性の職員を雇用しておくことのメリットはじゅうぶん考えられるんだよね。現実的な話をすると・・・」
<男性医療事務を勤務させることのメリット>
・夜間勤務への対応をしてもらいやすい
・男性がいると無茶なクレームへの対応も安心
・ライフステージの切り替わりによる退職リスクが少なく、長く働いてもらいやすい
・将来的に、事務スタッフのリーダーを任せられる
──あくまで傾向に即した説明になりますが、女性よりは男性のほうが、上に挙げたようなメリットを医療機関にもたらしやすい現実があります。このような仕事の担い手を求めている医療機関にとっては、男性医療事務スタッフの存在は、心強いものとなるでしょう。
ハナコ 「確かに、女性だけで仕事していて心もとなく感じるときはあるかも」
カオルコ先輩 「うちのクリニックは比較的長く勤めるスタッフが多いと思うけど、結婚とか出産とかで、スタッフの出入りが激しい職場もあるみたい。経営しているドクターの立場では、安定的に長く働いてくれる人がいると安心なのかもね」
男性医療事務としての採用に臨む際のポイント
──ここまでの話を踏まえて、男性が医療事務として採用されることを考えるとき、どのようなことに気をつけるべきでしょうか?
カオルコ先輩 「まず、男性の医療事務スタッフを必要としている医療機関を見極めることだね。さっきの話にもあったとおり、夜間の受付を設けているところはチャンスがあるかも」
ハナコ 「あと、女性ばかりの職場でやっていけるかどうかも、意外と重要ですね、きっと」
カオルコ先輩 「マインド的には、頼りになる存在でありながら、物腰の柔らかいタイプが好まれるはず。どう? ハナちゃんのお友達は?」
ハナコ 「うーん、人当たりはいいと思うんですが、頼りになるかなあ・・・」
カオルコ先輩 「そこは、これからの本人次第かもしれないね・・・」
<採用の際のポイント>
・チャンスのある医療機関を見極める
・“頼れる存在”でありつつ“人当たりのよさ”を併せ持つバランス感覚
・女性中心の職場で立ち回れるコミュニケーション能力
・長期勤務やステップアップを志向していることをさりげなくアピール
──女性に比べて、就職するチャンスが限られているのは事実。それでも、あくまで医療事務スタッフにこだわって就職したい男性は、医療機関が求める役割をしっかりと担えることをうまくアピールする工夫が必要になるようです。
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