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国家公務員の総合職(国家総合職)は出身大学がモノを言う?現実を詳しく解説!

国家公務員の総合職(国家総合職)は出身大学がモノを言う?現実を詳しく解説!

国家公務員の総合職を目指す人にとって、出身大学の優位性は果たしてあるのでしょうか?ランキング上位の大学卒以外の人は不利なのか、という点が気になる人は多いことでしょう。
当記事では、これらの疑問を解消するために役立つ情報を提供します。

国家公務員の総合職とはどんな仕事なのか

国家公務員の総合職とはどんな仕事なのか

「地方公務員」が日本国内の地方自治体の公共機関の仕事をするのに対し「国家公務員の総合職」は、一般に「高級官僚」「キャリア職」とも呼ばれ、日本の中央官庁に従事する公務員を指します。国家公務員の総合職になると、中央省庁にて行政に関わる仕事を担当することになり、国家公務員という立場で国家の政策や予算編成に携わります。

すなわち、国家公務員の総合職とは、国家の運営に関する仕事を任された職務というわけです。このように国家の重要な職務に就く国家公務員の総合職について、その仕事内容と職務に必要とされるスキルについて、以下に解説しましょう。

国家公務員の総合職の仕事内容

国家公務員の総合職は「事務官」と「技官・技術職」の2つに区分され、国家公務員総合職採用試験の試験区分によってどちらの職務に就くかは採用時に決定されます。すなわち、事務官は文系、技官は理工系ということになります。

事務官の試験は「行政、法律、経済、政治・国際、院卒、行政」に区分されています。そして、入庁する省庁によって「法務事務官」「外務事務官」などと呼称され、それぞれの省庁で予算編成や法令作成などの総合事務的業務を担当します。

技官・技術職は、入庁した各省庁内で理工系の知識を生かした仕事に就く国家公務員に対する呼称です。「薬学」「化学」「生物学」などそれぞれが有する理工系分野での専門的知識を生かした仕事(厚生労働省技官なら新薬開発に関わる業務など)に従事します。

国家公務員の総合職に必要なスキル

国家公務員の総合職は「国民に奉仕する仕事」であることを認識することが必要条件です。したがって、自分の仕事が常に「社会に貢献しているか」を自認して働く公的使命感を持つことが求められます。

国家公務員の総合職として求められるスキルの代表的なものは「正義感の強さ」「協調性の高さ」「向学心があること」「忍耐力の強さ」などが挙げられるでしょう。公共的な仕事だけに、私利私欲を捨て去って国民の公僕として働くという意識を持つことと、そのためには、仕事に関する事象について常に探究し学習して知識をより深くする努力も必要です。

以上のように、一般には「キャリア官僚」というと高慢な人物というマイナスイメージがあるかもしれませんが、実際に国家公務員の総合職として出世するには、上記のような資質を持ち、真に社会貢献のために努力しなければならない立場といえるのです。

国家公務員総合職の出身大学ランキングは?

国家公務員総合職の出身大学ランキングは?

毎年、週刊誌などで「国家公務員総合職の出身大学ランキング」が発表されています。国家公務員総合職採用試験に合格しキャリア官僚を目指す人にとっては、同職と出身大学との関連性が気にかかることでしょう。

また「ランキング上位の大学を卒業していないと不利なのか?」という疑問を呈する人がいるかもしれません。そこでこの章では、国家公務員総合職の出身大学について、、ランキングをもとに現在の状況を解説しましょう。

最終合格と内定の違い

「国家公務員総合職採用試験」に「最終合格」したとしても、この時点ではまだ実際に国家公務員の総合職として採用されたわけではありません。次の段階として「内定通知」が届くのを待つ必要があります。

「最終合格」とは、国家公務員総合職採用試験の第2次試験に合格したことを意味します。
そして「内定」とは、試験合格者が国家公務員総合職に就くために希望する省庁を訪問する「官庁訪問」後、それぞれの省庁から就職を許諾する「内定通知」を受け取ることを指します。

このように、試験に最終合格しても即採用とはならず、規定のスケジュールに沿って官庁訪問を行い、内定通知を受け取るというプロセスがあるのです。ちなみに、最終合格した後に都合で省庁訪問をしなかった場合、有効期間は合格後3年間となっています。

最上位の国立大学の現状

「国家公務員総合職採用試験」合格者の出身大学で常に最上位を占めているのが、日本最高峰の国立大学として名高い「東京大学」です。2021年のランキングでは、362名が東大出身の合格者という実績で、2位の京都大学142名を2倍以上も上回るダントツ状態となっています。

2021年の大学卒・大学院卒の合格者合計が2,056名なので、東京大学出身者は約17.6%を占めており、合格者の約5.6名に1人が東京大学出身ということになります。しかしながら、2010年が約32.5%で2000年が約31.9%と、かつては3人に1人が東大出身だった過去と比較すると、合格者の東大占有率は徐々に低下してきているといえるでしょう。

上位の国立大学の現状

それでは東京大学・京都大学以外の合格者はどこの大学の出身者が多いのでしょうか?
2021年の「国家公務員総合職採用試験」合格者の大学別ランキングと合格者の出身大学の種類を見てみましょう。


2021年度国家公務員採用総合職試験の合格者発表
2021年度国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)教養区分の合格者発表
順位 大学名 合格者数
1 東京大 362
2 京都大学 142
3 早稲田大学 98
4 北海道大学 82
5 岡山大学 78
種類 人数 割合
国立大学 1,286名 70.1%
公立大学 67名 3.7%
私立大学 469名 25.6%
その他外国の大学 13名 0.7%

上の表のとおり、合格者数上位5大学のうち4大学が「旧帝国大」を中心とした国立大学であることがわかります。
また、下の表からもわかる通り、全体的に見ても合格者の73.8%が国公立大学出身と、総合職合格者のほとんどが国公立大学出身者だといえるでしょう。

上位の私立大学の現状

現在「国家公務員総合職採用試験」では、国立大学の出身者が合格者ランキングの上位を占めていることをデータが示しています。それでは、私立大学の上位ランキングはどうなっているのでしょうか?

2021年の私立大学別の合格者ランキングでは、早稲田大学が98名で全体3位、私立1位となっています。そして、慶応義塾大学が75名で全体6位、私立2位で、以下は中央大学が全体10位、私立3位に食い込んでいます。

上記、出身大学別ランキングデータを見る限り、国家公務員総合職採用試験は上位を国立大学が占有しており、私立大学はベストテンに3大学が入っているのみ、というのが現実です。

国家公務員総合職に出身大学は関係あるか

国家公務員総合職に出身大学は関係あるか

国家公務員総合職を目指す人にとって、出身大学は大いに参考にすべき重要な要素なのでしょうか?上位ランキングに入っていない大学出身の人にとって「それでもあきらめず合格を目指したい」というのが本音でしょう。

比率は低いながらも、上位ランキング以外の大学出身者でも、見事に合格を果たし国家公務員総合職として働いている人もいます。それではこの章で、国家公務員総合職に有利と思われる学識と、ランキング下位の大学出身者がなすべき合格対策について解説しましょう。

国家公務員総合職に有利な学識

数ある公務員試験の中でも国家公務員総合職採用試験は難易度が最も高いといわれています。それは、「旧帝国大」を中心とした有名国立大学出身者が合格者に多いことが証明しています。

事務官を目指す文系の人は大学で学ぶレベルの経済学や法学の知識が必要とされ、技官を目指す理系の人は自身が得意とする分野はもちろん、数学や英語などの他にも専門以外の分野でも最低限の基礎知識は要求されます。さらに、国家公務員として必要な資質である社会貢献に対する意識の高さや、組織人としての協調性や他人から好まれる人間性なども面接時での重要な評価ポイントといってよいでしょう。

ランキング下位の大学でも大丈夫?

国家公務員総合職採用試験には、一定の条件を満たし、大学卒以上の学歴があれば日本人なら誰もが受験できるので、出身大学別の差別はありません。ただし、合格者の出身大学のレベルを見ると、偏差値60~70程度の学力は必要といえるでしょう。

仮に、偏差値が上位ランキングの大学に満たない大学出身者であれば、試験合格を目指して受験まで1~2年を合格レベルに達するための学習期間にあてることが理想といえます。また、官庁訪問と就職後に求められるスキルとして、受験までの準備期間に他人とのコミュニケーションなどを磨いておくことも大切です。

ただ近年の倍率から見ると上位大学以外からの合格者も出やすい状況になってきているようです。

学歴にはこだわらずに国家公務員総合職を目指そう

学歴にはこだわらずに国家公務員総合職を目指そう

本記事では、国家公務員の総合職と出身大学との相関性について解説しました。公務員試験の中でも最難関といわれている国家資格試験だけに、一般には「有名国公立大学出身でなければ合格できない」という先入観があるようです。

本記事内で紹介したように、合格者の出身大学ランキングを見ると「旧帝国大」を中心とした国公立大学がずらりと並んでいます。しかし、それ以外の大学が全くないわけではありません。

事務官にせよ技官・技術職にせよ、国家公務員の総合職として勤務する人のスキルには、本記事で紹介した学識とスキルさえあれば学歴は関係ありません。必要なのは偏差値60~70程度の学力と自身が目指す分野の専門知識、そして公務員として求められる社会的スキルです。

学歴にはこだわらず、必要な知識を身に付ける学習に集中し、同時に幅広い視野と社会性を持つために友人や知人との良好なコミュニケーションを維持することも忘れないでおきましょう。

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