危険物乙4はこうやって攻略する!合格のポイントを伝授
|危険物取扱者乙種4類
みなさん、危険物乙4の試験に向けた勉強の進み具合はどうですか?
学業と並行して勉強している人、仕事をしながら取得を目指している人、小・中学生もいるかもしれませんね。
今回は危険物乙4合格のポイントについて、私の経験を踏まえてご紹介していきます。参考になれば幸いです。
栗原 淳(くりはら あつし)講師
TAC危険物取扱者乙種4類講座 講師
現在石油業界にて営業・販売取扱業務の傍ら、資格の学校TACの危険物取扱者講座にて教材制作に携わる。保安管理など危険物の知識を広めるための活動なども行っている。
危険物取扱者乙種4類の攻略法
栗原講師
ところでみなさんはどのくらいの期間での合格を目指していますか?
危険物乙4においても、「○○までに資格がないと困る」といって手っ取り早く「答えだけ」を求める人も中にはいるようです。実際、過去問題の暗記のみを試みた知人もいました。
では私はどうしたのか。ここからはどのようにして合格したのかポイントを含めてお話しします。
所々、合格のポイントを入れていきますね。
私の場合の危険物乙4攻略法。極めてオーソドックスな方法です。
インプット→アウトプット→インプット・・・を繰り返す
1
テキストを読む
2
小問題を解く、答え合わせ
各項目の最後に数問練習問題がある場合
3
もう一度テキストを読む
今度は、「2」での結果も確認しながら読み込む
4
もう一度小問題を解く、答え合わせ
※ 場合によっては、1から必要部分を繰り返します。
危険物乙4合格のポイント(1)問題が解けなくても焦らない
その後は、問題集を用いた勉強へと進むわけですが、小問題では出来たのに、問題集では正解率が低い。でも心配いりません。圧倒的に問題数が違うのですから。なによりも始まったばかりです。
でもよく見て下さい。知っている言葉や数字が多くないですか。そうなんです。「1から4」を繰り返す。その間に既に慣れてきているのです。
これらより、私はこの方法が最も効率の良い勉強法と考えました。
栗原講師
ところで先ほどの「過去問題の暗記」知人ですが、出てくる語句などに惑わされ、結局「1から4」を繰り返す勉強法へと切り替えました。もちろん全てが出題されるわけではありません。
しかしこの勉強法を行ったことで記憶にも残り、就職先では即戦力として現場主任を任されています。
危険物乙4合格のポイント(2)ピンとくるところから手を付ける
栗原講師
テキストを手にしたときのヤル気。でも次第と普段の生活の中で先回しに…。何をするにしてもみなさん一度は経験がありませんか?
「1. テキストを読む」ですが、必ずしもテキストの目次どおりに危険物に関する法令から始めなくても大丈夫です。
みなさん、目次を見て「ピン」とくる言葉はありませんか。そこから始めてもいいんですよ。結果“なぜ”が生まれてその前後の内容につながってきます。
“なぜ”が多く出ればこっちのものです。興味のある部分からとりかかることは勉強がはかどり、また続ける上でも重要です。
危険物乙4合格のポイント(3)問題に変更のないもの、関連性の高い科目を見極める
栗原講師
私の場合は多少物理学と科学の知識があったため、ここから片づけていきました。次はそのままページを進んで行き「危険物の性質と火災予防・消火活動」へと取りかかりました。それは次のことに気づいてしまったからです。
●「危険物に関する法令」
よほどの大きな法改正がなければ問題に変更がないと言っても良いでしょう。そのため問題集で勉強していく割合が高かったです。
現在、私は危険物の免状を持っているため3年に1回、保安講習を受講して
います。近年は「自然災害への対応」や「ガソリンの詰め替え販売での本人
確認」が主なものでした。
●「基礎的な物理学および基礎的な化学」
こちらも大きな発明発見がない限りは問題に変更がないと言っても良いでし
ょう。横文字や計算式に戸惑ってしまう人もいると思います。慣れないと覚
えることも若干増えますが、一番最初に勉強すると良い科目だと思いますよ。
●「危険物の性質と火災予防・消火活動」
上記の「基礎的な物理学および基礎的な化学」と内容と相性が良いのがこの
科目です。「比重」、「引火点」などなど共通した語句が出てきますね。
危険物乙4合格のポイント(4)テキスト選び
栗原講師
このように書いてきましたが、みなさんが使用しているテキストはどのようなものですか。わかりやすいですか。
使用するテキストはイラストのあるものを選びましょう。理由は、内容をイメージ化して記憶できますから。コミック(まんが)がいい例でしょうか。一回読んだだけでも粗方覚えているものです。
もう一つ。少しでも色がついたイラストがわかりやすいでしょう。
文字だけのテキストは内容をイメージ化することにも時間を費やしてしまいます。しばらくするとやる気が失せてきます。単色ではなおさらでしょう。最初の私がそうでした。
テキストの選択も重要です。
危険物乙4合格のポイント(5)ロールプレイングで記憶を定着
栗原講師
今度は頭の中から情報を出していきましょう。営業職のアウトプット勉強(訓練)と似ているかもしれませんね。
あなたが、テキストの内容を“架空の誰か”に教えるよう講師を演じてみましょう。テキストから得た情報(視覚)を、教えて聞こえてくる情報(聴覚)へと変換していきます。
このように五感を利用するのはオススメです(危険物なのでさすがに味覚はないですが)。
これはテキストを読んでいる時でもいいですし、問題集を解説するように解いていっても構いません。「家族がいるし恥ずかしいな」という方もいるでしょう。でもその恥ずかしさも印象に残る一因になるかもしれませんよ。
栗原講師
では最後に、私からみなさんへ問題です。
<問題> 第4類の危険物の性質として、正しいものを1つ選びなさい。 (1)液比重は1より小さく、蒸気比重は1より大きいものが多い。 (2)発火点250℃未満のものがほとんどである。 (3)無色透明で、ほとんどが無機化合物である。 (4)粘り気があり、引火点が10℃以下のものが多い。 (5)空気中では自然発火の危険性が高く、衝撃などにより爆発の危険性を有するものが多い。 |
栗原講師
正解の前に・・・。
ガソリンスタンド(給油取扱所)の休憩所や事務所などが一段高くなっているのを知っていますか?
給油中、漏れた可燃性蒸気が内部に入らないような対策・構造なんです。また電流が関係するために自動販売機も一段高くなった場所に設置されています。喫煙による火や電気がスパークすることなどを考えると怖いですからね。そして晴れた日の給油ではガソリンの蒸気が地面を這っていく様子が見られます。普段から気にしてみると理解も進むかもしれませんよ。
ということで正解は(1)です。
危険物乙4合格のポイント(6)普段の生活の中で復習する
このように普段の生活からもテキストの内容を復習することができます。標識や掲示板など以外と迷ってしまう「地の色」や「文字の色」も直接確認できて印象に残るのではないでしょうか。
栗原講師
以下に合格のポイントをまとめてみました。
お伝えしてきた合格のポイントを参考に、楽しく学習し、合格を手にされることを願っています。
まとめ~危険物乙4合格のポイント~
- 繰り返す勉強法は効率が良い
- テキスト内の小問題で出題傾向をつかんでおく
- 興味のあるところからとりかかる
- 物理学・化学 → 危険物の性質他 → 法令の順がオススメ
- 「危険物に関する法令」は問題集中心で最後に
- テキストはイラスト、多色刷りを選ぶ
- 講師を演じて視覚を聴覚へ。アウトプット勉強
- 普段の生活にも復習を兼ねて勉強を取り入れる
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