経営支援に役立つコラム

性格と仕事の成果との関係は?

中小企業支援に役立つテーマでコラムを掲載します。今回は、「性格と仕事の成果との関係は?」がテーマです。

企業経営アドバイザーコラム

性格スキルのビッグ・ファイブ

人間の能力は大きく「認知スキル」と「性格スキル」に分けられます。認知スキルとは知性や学力など、テストによって測定可能な能力です。一方、性格スキルは個人の性格的特徴で、テストでは測りにくいものを指します。

ビッグ・ファイブは、この性格スキルに関わる5つの基本的特性を示したもので、1980年代に複数の心理学者が多様な性格検査の結果を統計的に分析しまとめました。

<性格スキルのビッグ・ファイブ>
〇開放性
新たな美的、文化的、知的経験へ開かれている傾向。好奇心や想像力、審美眼が含まれます。
〇真面目さ
計画性や責任感、勤勉な態度を示す傾向。自己規律や粘り強さ、熟慮が特徴です。
〇外向性
自分の関心やエネルギーを外部の人や物に向ける傾向。積極性や社交性、明るさが含まれます。
〇協調性
利己的でなく協調的に行動する傾向。思いやりややさしさが表れます。
〇精神的安定性
感情の予測性や整合性が高く、不安や衝動が少ない性質。

性格と仕事のパフォーマンスの関係

これら性格特性は仕事の成果にも影響を与えます。過去の研究に基づく相関係数は以下の通りです(相関係数は二つの変数の関係の強さを示す指標で、1に近いほど正の強い関係を示します)。

<各性格と仕事の成果の相関係数>
真面目さ   0.22
外向性    0.13
精神的安定性 0.08
協調性    0.07
開放性    0.04

相関が最も強いのは「真面目さ」で、あらゆる職業において成果との関連が確認されています。一方、「外向性」は学者や医師などのプロフェッショナル職ではマイナスとなる(外向性が高いほど成果が低い)反面、管理職や営業職では0.18、0.15と比較的高い数値を示しています。

真面目さと並び、職業人生に重要な性格スキルとしては、「精神的安定性」の側面の一つである「統制の所在」(問題の原因や責任を自分自身に求める自己責任感)や「自尊心」も挙げられます。

年齢を重ねても鍛えられる性格

認知スキルは10歳頃までに大部分が発達しますが、性格スキルは10代以降も鍛えられます。イリノイ大学のブレント・ロバーツ氏らは、外向性を「社会的優越」(自己主張の強さ)と「社会的バイタリティ」(群れを好む性向)に分けて年齢による変化を研究しました。

この研究によると、「社会的優越」「真面目さ」「精神的安定性」「協調性」は一生を通じて伸ばせ、特に協調性は40代以降も大きく伸びます。一方、「開放性」と「社会的バイタリティ」は20歳ごろにほぼ決まり、「社会的バイタリティ」は以後徐々に減少します。 このような調査結果は自己の性格改善だけでなく部下の育成にも有用です。

おわりに

どの職種でも重要な「真面目さ」「統制の所在」「自尊心」を若いうちに形成できれば、その後のビジネスパーソンとしての大きな成長に繋がります。

企業経営アドバイザー検定試験講座講師
三枝 元

※当コラムの内容は執筆者個人の見解でありTAC株式会社としての意見・方針等を示すものではありません。
※当コラムは一般社団法人 日本金融人材育成協会ホームページの「ごえんをつなぐコラム」で掲載された内容を編集して掲載しております。

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