経営支援に役立つコラム

「部下を育てる」「自分が育つ」ために
上手く経験を活かす

中小企業支援に役立つテーマでコラムを掲載します。今回は、「部下を育て自分が育つための経験の活かし方」がテーマです。

企業経営アドバイザーコラム

リーダーになるための7・2・1の法則

リーダー育成に関する「7・2・1の法則」は、経験7割・薫陶2割・研修・読書1割の割合で成長するという人材育成理論です。

これは、米国の人事コンサルタント会社ロミンガー社の創業者マイケル・M・ロンバルドとロバート・W・アイチンガーが、経営幹部のリーダーシップ発揮に役立った経験を調査した結果に基づいています。

調査では、最も役立ったのは実際の仕事を通じた経験で、それが7割を占めました。次いで、上司や先輩の働きぶりを観察・模倣して学ぶ機会が2割、研修や読書などの教育機会が1割という結果でした。これはリーダーに限らず、あらゆるビジネスパーソンのキャリア形成においても重要な指針とされています。

育成に優れた上司の特徴

育成に優れた上司の特徴について、神戸大学の松尾睦教授は6つのポイントを挙げています。まず、「ビジョン明確化」として、自ら楽しみ努力する姿を示し、部下に主体的に将来像を描かせること。次に「目標のストレッチ」で、部下の能力より少し高い目標をバランスよく設定させることが重要です。

「相談・進捗確認」では、気軽に相談できる雰囲気を作り、進捗報告の時間を設けて問題を早期に把握します。「自分で考えることを促進」し、部下が納得して自ら問題解決できるよう支援します。「ポジティブ・フィードバック」は、課題を指摘しつつも良かった点を褒めることで成長意欲を高めます。最後に「原因分析と改善策の策定」で、成功や失敗の理由を考えさせ、合理的な方法を模索させます。

一方、部下自身が成長のためにできることは、将来なりたい自分を明確に描くこと、現状に満足せず挑戦的な目標を設定すること、良き相談相手や目標を共有できる仲間を作ることです。また、上司や先輩に仕事の評価とアドバイスをこまめにもらい、成功や失敗の原因を分析して次に活かす姿勢も求められます。

研修や読書の重要性

最後に、研修や読書の役割についてです。7・2・1の法則では研修・読書が1割ですが、これは必要ないという意味ではありません。むしろ経験から得た知識を体系化し、自分の経験だけでは触れられない視点や知識を補うために不可欠です。

事前に研修や読書で知識を得ることにより、実務経験の理解や解釈がより深まります。新しい年のスタートにあたり、ビジネススクールの受講やビジネス書の読書を積極的に取り入れることが推奨されます。

おわりに

リーダーやビジネスパーソンとして成長するには、実務経験を中心に上司からの指導や学びを得つつ、研修や読書による知識補完をバランスよく活用することが重要です。部下の育成に優れた上司の特徴を参考に、自分自身のキャリア形成に役立てていきましょう。

企業経営アドバイザー検定試験講座講師
三枝 元

※当コラムの内容は執筆者個人の見解でありTAC株式会社としての意見・方針等を示すものではありません。
※当コラムは一般社団法人 日本金融人材育成協会ホームページの「ごえんをつなぐコラム」で掲載された内容を編集して掲載しております。

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